パワハラ/アカハラに関与した学部執行部(2014年度時点)
井形浩治被告 池島真策被告 北村實元副学長 二宮正司元学部長 樋口克次元副学部長 田中健吾元学部長補佐 吉野忠男現副学部長
Information
吉 井 康 雄
CVS :
Certified Value Specialist
CMC :
Certified Management
Consultant
MCMC :
Japan Master Certified
Management Consultant
元、大阪経済大学 経営学部 教授
●「大阪高裁の判決とその分析・評価」に戻る
吉井が訴えた地位保全・確認訴訟へ
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⇒ ⇒ 2015年4月23日、大阪高裁、判決文 ⇒ 2014年9月30日、大阪地裁、判決文
是非、次の争点1、争点2は、一読してください。
⇒ 争点1.特任任用、労使慣行の存在 ⇒ 争点2.被告らの故意による共同不法行為
ここでは、「第3 当裁判所の判断: 争点1 労使慣行があったか否かについて」を逐次抜粋し、
裁判所の認定に疑義ある場合、当該箇所を分析・評価することを目的とする。
.
検 索 項 目
当裁判所の判断: 事実認定
事実認定1:平成2〜16年度の特任任用実績と森田教授の特任任用手続き
事実認定2:特任任用が却下された里上教授、特任申請が却下された瀬岡教授
事実認定3:平成18〜平成25年度採用の特任任用実績
事実認定4:平成24年9月28日、原告に適用する偽装した特任任用規程を説明
事実認定5:特任教授として講義予定の科目と原告との係わりの説明
事実認定6:カリキュラム委員会の総意、原告の担当科目は不要、不開講とする
被告井形は2012年10月15日、これを理由に特任申請辞退を迫る
事実認定7:「書類の不備」を理由に、特任任用申請は「不受理」と報告
当裁判所の判断: 争点1 労使慣行があったか否か
(1)労使慣行の有無の判断のために、旧規程、新規程を確認する
(A)大阪高裁判断材料の欠落その1:「労使慣行の存在」に関する、
大経大の経営責任を負う井阪理事長と教学の長である重森学長の発言を無視
(B)大阪高裁判断材料の欠落その2:「労使慣行の存在」に関する、
被告大学および原告の特任任用実績データの精査が欠落
(C)大阪高裁の判断ミスその1:旧規程には無い、
新規程の「特に」の意味を誤認識
(D)大阪高裁の判断ミスその2:被告大阪経済大学、被告井形および被告池島の
準備書面、尋問などでの虚偽陳述を誤信
(2)旧規程下において、任用申請しても特任教員に任用されなかった3名がいた。
(3)特任人事は「再雇用」、採用されるとは限らないという認識が当然である!
(4)総合考慮すれば,特任人事において「労使慣行があった」とは認められない。
(5)形式的審査、実質的審査の事実を判断すると、いずれも労使慣行は存在しない
(6)控訴人が主張する「労使慣行の存在」は認められない
第3 当裁判所の判断 1 認定事実
事実認定1:平成2〜16年度の特任任用実績と森田教授の特任任用手続き
原判決をもとに、大阪高裁が認定事実を修正しており、それを記載し、
a 特任教員推薦委員会は,
事実認定2:特任任用が却下された里上教授、特任申請が却下された瀬岡教授
事実認定3:平成18〜平成25年度採用の特任任用実績
事実認定4:平成24年9月28日、原告に適用する偽装した特任任用規程を説明
事実認定5:特任教授として講義予定の科目と原告との係わりの説明
事実認定6:カリキュラム委員会の総意、原告の担当科目は不要、不開講とする
事実認定7:「書類の不備」を理由に、特任任用申請は「不受理」と報告
争点1(原判決をもとに、大阪高裁が修正した判決文)
(1)労使慣行の有無の判断のために、旧規程、新規程を確認する
--------------------------- <原告が問題視する理由> -------------------------------------
(B)大阪高裁判断材料の欠落その2:「労使慣行の存在」に関する、
大阪高裁が事実関係をどのように認定して、判決したかを確認する。
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1 認定事実
(1)従前の特任教員への任用
ア(ア)被告大学の教員のうち,
平成2年度ないし平成16年度に定年退職となった者について,
特任教員に任用された者と,任用されなかった者の内訳は以下のとおりである
(乙30,31)。
(イ)前記(ア)の平成16年度に任用されなかった者のうち,
経済学部教授(以下「A教授」という。)に関する経緯は以下のとおりである
(乙28の1〜4、乙28の5の1・2,乙28の6の1・2)。
平成16年10月29日,委員会を開催し,
A教授ほか2名を平成17年度の特任教員に
任用することについて
教授会に推薦することを決議した。
b 経済学部教授会は,
平成16年10月29日、教授会を開催し、
A教授を特任教員に任用することについて,
継続審議とすることとした。
c 特任教員推薦委員会は,
平成16年11月5日,委員会を開催し,
A教授の特任教員任用申請について,
再度授業担当計画の提出を
依頼することとした。
d 経済学部教授会は,
平成16年11月12日,教授会を開催し,
A教授を特任教員に任用することについて,
修正して提出された「今後3年間の
授業計画」に基づいて協議したが,
再度,継続審議とすることとした。
e 特任教員推薦委員会は,
平成16年12月2日,委員会を開催し,
A教授の特任教員任用申請について,
3度の教授会を経ても
承認を得られないことから
推薦を再検討する必要があるとし,次回委員会までに調査することとした。
f 特任教員推薦委員会は,平成16年12月9日 ,委員会を開催し,
A教授の特任教員任用申請について,
前記aの推薦決議を取り消し,推薦しないこととする旨を決議した。
g 経済学部教授会は,平成16年12月10日,教授会を開催し,
前記fの決議を受け,教授会では議題として取り扱わないこととした。
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<原告の説明>
「A教授」は森田教授のことである。
a 〜 gの手続きで特任教員推薦委員会は、森田教授の特任申請を却下している。
これは、特任教員任用規程(旧規程)の「任用手続き」の規程にしたがって、
「形式的」に手続きを行い、経済学部教授会に推薦できない正当な理由があるという
「実質的」手続きで、推薦しないことにしたものである。
大阪高裁は、「形式的」に規程の条件がそろっておれば、
特任教員として推薦、採用されるとする「原告の主張」を否定するが、
森田教授の例が良い事例で、形式的手続きのもとで実質的に手続きがされている。
「形式的と「実質的」は表裏一体で、
申請書類がそろっておれば、という「任用基準」と、
それを形式的に審査する「任用手続き」の過程で、
「実質的」に特任教員としての候補者となり、
理事会の承認のもとで、特任教員として、採用されることになる。
なお、旧規程の時代は、「教授会の自治」のもとで、
「教授会が採用を決定する」ことになっていたことは、事実であるが、
昨今の私立大学の周囲環境、教授会の権限の限定化の動きから、
経営責任のある理事会の役割を明確にしたのが、特任教員任用規程(新規程)である。
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-----------------------------------------------------------------------------
(ウ)また,前記(ア)のうち,平成16年度の里上教授については,
推薦委員会が任用推薦の決議をし,教授会も任用の決定をしたが,
「評議員会」及び「理事会」で審議された結果,
理事会が理事長に一任する決議をし,
理事長は,里上教授を特任教員に任用しない旨の決定をした(甲13)。
(エ)さらに,特任教員推薦委員会は,
平成17年10月頃,経済学部の教授(以下「B教授」という。)の
特任教員任用申請について推薦しないこととした。
同月14日の教授会においても,
B教授の特任教員任用申請に関して意見交換が行われた。(以上につき,乙29)
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<原告の説明>
大阪高裁にクレームをつけたい、最大の理由の1つが、
(ウ)の里上教授と(エ)のB教授(瀬岡教授)、前述のA教授(森田教授)の判断根拠に、
原告が、大阪高裁に提出した甲25、甲30の、井阪理事長および重森学長の言葉
「里上教授の件は、「例外中の例外」で、人事における従来の慣行は変わらず」
と合同教授会の席上で語られた、
原告にとっては、「労使慣行の存在の重要な判断材料」が、
「裁判官の心証主義」のもとで採用されていないことである。
⇒
(甲25)2005年7月1日、合同教授会での井阪理事長、重森学長発言。
⇒
(甲30)上記反訳書の音声データ、井阪理事長発言(11分10秒当たり、検索番号8)、
重森学長発言(13分24秒~17分32秒当たり、同、10、12)
大阪高裁は、判決で、「労使慣行の存在の否定」にこのような事実がある、
と判示しているのは、原告にとって、情けない判示である。
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イ 被告大学の教員のうち,平成18年度ないし平成25年度において,
特任教員に任用された教員の数は,
平成18年度が3名,平成19年度が1名,平成21年度が3名,平成22年度が2名,
平成23年度が2名,平成24年度が3名,平成25年度が1名である。
なお、平成18年度から平成25年度までの間に、
特任教員任用申請を行ったにもかかわらず、任用されなかったのは、控訴人のみである。
-----------------------------------------------------------------------------
<原告の説明>
特任教員の採用年度が、特任申請・採用決定年度と区別されない表記になっており、
時として、1年のずれがあることに留意して、特任教員採用実績データを閲覧されたい。
平成25年度(2013年度)採用1名は、中尾美喜夫の1名
(原告は2012年度の申請年度で、
大阪高裁判決「被告井形・被告池島の故意による不法行為」のもとで、
申請書類が提出されず、不採用となっている。)
平成24年度(2012年度)採用3名は、泉弘志、間野嘉津子、小林龍―の3名
平成23年度(2011年度)採用2名は、二宮正司、山本恒人、桜丼三枝子、田中邦夫4名
平成22年度(2010年度)採用2名は、渡辺泉、重森暁、田畑稔の3名
平成21年度(2009年度)採用3名は、松本良治、光田基郎、稲場紀久雄の3名
平成20年度(2008年度)採用0名は、大槻裕子の1名
平成19年度(2007年度)採用1名は、田畑進、岡本昌夫、永野仁の3名
平成18年度(2006年度)採用3名は、野々村博の1名
大阪高裁の認定情報は、被告大学のデータと推認されるが、
誤りが多い事実データをもとに判決に導いていることを申し添えておく。
原告のデータは、在籍時に、学部別教員名簿(閲覧可能)から、
特任教員任用データを確認し、疑問ある場合は、学部関係者に確認している。
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-----------------------------------------------------------------------------
(2)原告の特任教員への任用申請に関する経緯
ア 平成24年9月28日,被告大学経営学部教授会が開催され,
被告井形は,学部長が作成すべき授業担当計画について
カリキュラム検討委員会の意見を聴いて行うことを含め,
特任教員の任用手続について説明した(乙3)。
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<原告の説明>
被告井形が説明する「特任教員任用規程(新規程)」の説明は、
不法な、偽造した「新規程」の説明である。
この説明には、原告の「3カ年講義計画」を、原告が作成するではなく、
被告井形学部長が作成すると説明し、
学部長が特任教員推薦委員会への推薦を決める。
カリキュラム委員会が、原告の授業担当科目を審査し、その承認を得ることとしている。
⇒
2012年9月28日、教授会で、被告井形は偽造した特任任用規程を説明する。反訳書
⇒
原告の担当科目はカリキュラム委員会の承認が必要と説明、上記、音声データ
裁判官は偽造した「新規程」と全学共通の「新規程」をミックスし、
時には、カリキュラム委員会の介入を「是」とし、判決に導いている。
被告井形、被告池島の尋問での陳述は、被告大学の正規の規程、
私立大学に適用される規程に反した陳述をしているにも関わらず、
裁判官は、被告大学の準備書面、被告井形、被告池島の陳述を「是」として、
「特任人事における労使慣行の存在」の否定のベースにしている。
被告井形、被告池島の不法行為を立証する証拠2つを大阪高裁に提出したが、
「裁判官の心証主義」のもとで採用されていない。
⇒
(甲23)草薙副学長:申請書類を推薦委員会に提出するのが最初。反訳書
⇒
(甲28)10月19日、科目を無くすとは、パワハラで訴えるかと発言、上記音声データ
⇒
(甲24)山田学長補佐:担当科目をなくす権限はカリキュラム委員会にはない。反訳書
⇒
(甲29)10月19日、原告を不要なものと排除しようとしていると話す。上記音声データ
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控訴人は、平成24年9月末頃、被控訴人井形に対し,
「3カ年講義計画」等の所定の書面を提出し,
特任教員への任用を希望する意向を明らかにした。
控訴人作成に係る「3カ年講義計画」に記載された平成25年度から平成27年度までの間の
講義の内容等は,控訴人の平成24年度のものとほぼ同様のものであり,
「情報ネットワーク論I・U」,「情報バリューエンジニアリング」及び「経営情報論」を
第1部と第2部で開講し,
外国書講読I・U」を第1部で開講するものとされていた(甲7)。
控訴人の講義内容については,平成23年度の授業担当計画を決めるに際して,
控訴人の平成23年度の担当授業数(持ちコマ数)が,
平成21年9月に定められた申し合わせに基づく所定の数よりも1.5コマ分不足する
状況になっていたことから
(控訴人は平成22年度は国内留学中であり授業を担当していなかった。)、
その対応策についてカリキュラム検討委員会で検討が行われた結果,
当時,カリキュラム検討委員会の構成員であった被控訴人井形が,
平成22年8月6日,控訴人に対し,
@北浜イブニング科目として既存の科目を開講する(0.5コマ),
A「経営学特殊講義(環境経営論)」を担当する(0.5コマ),
B「外国書講読」を担当する(0.5コマ)
のいずれかについて,合計1コマ分を担当するよう依頼するとともに,
C当時控訴人が担当していた講義科目を第2部で開講することも可能である
との提案をしたことから,
控訴人がこれに応じて,
「外国書講読」及び「経営学特殊講義(環境経営論)」を担当するとともに,
「情報ネットワーク論I・U」及び「情報バリューエンジエアリング」を
第2部でも開講することとしたものであり,
平成24年度の授業担当計画も,概ねこれを踏襲したものであった
(甲7,16,乙22)。
なお,平成24年度までの間に控訴人が担当していた講義の内容等に関しては,
カリキュラム検討委員会等において,
必要度が低いなどとして是正を求める意見が出されたことはなかった。
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<原告の説明>
原告の「3カ年講義計画」(甲7)を示す。
なお、2年目に「演習T」が2部に記載されているのは、
初年度では1部に記載されているように、原告のミスである。
就業規則では、4コマ以上講義することと規定されているが、
原告の講義計画では、24〜28単位(6〜7コマ)である。
⇒
原告の特任教員任用資料(甲5)役職歴(甲6)3ヵ年講義計画(甲7)など
原告が特任教授として講義する科目は、大阪高裁の認定事実どおりである。
なお、講義科目は教員の生命線であるため、裁判官には理解しがたい背景情報を2つ述べる。
1つは、原告が2部でも講義していたが、
北村實学部長・理事、樋口克次副学部長兼カリキュラム委員長のもとで、
2部科目を突然不開講とし、別の非常勤講師に担当させている。
⇒
(甲12)2002年、2003年当時の学部執行部による2部科目不開講
および、担当者振替にかかわる被告側とのメールの記録、他(甲13)
その後、被告井形がカリキュラム委員長の時に2部開講のお願いをし、
2010年に2部開講が了解されている。
しかし、被告井形は、2011年に教務課に行き、教学ルール違反となる、
且つ、文科省への届け出をしないという不法行為のもとで、
原告が特任申請をした際に、2〜3年も前から
「新規程」の「特に」にふさわしくない人物にする仕掛けをしていた。
⇒
2013年2月15日、1部科目の2部重複開講の指示は被告井形とのメール
2012年10月15日、被告井形が、自主的に特任申請を辞退せよと迫った際の
第1の理由、それが、この「1部科目の2部重複開講」である。
⇒
2012年10月15日、被告井形が原告に特任申請辞退を迫った6つの理由
今1つ、原告の担当科目、経営情報論、情報ネットワーク論は、
経営学部の戦略科目であることを証拠として示しておく。
原告担当の情報経営学(経営情報論と情報バリューエンジニアリング)は
情報環境コースの必須科目であり、戦略科目とする配布資料
⇒
1997年1月10日、「情報経営学」採用人事への情報環境コース所属教員の統一見解
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被告井形は2012年10月15日、これを理由に特任申請辞退を迫る
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イ 被告井形は,被告池島に対し,
次回のカリキュラム検討委員会において,原告の授業担当計画について検討するよう指示した。
ウ 平成24年10月12日開催のカリキュラム検討委員会において,
控訴人が被控訴人井形に提出した「3カ年講義計画」についての検討が行われた。
その後,カリキュラム検討委員会の委員長であった被控訴人池島は,
検討の結果を被控訴人井形に報告した。
工 被控訴人井形は,同月15日,控訴人に対し,
カリキュラム検討委員会の総意として,
控訴人の担当する授業のほとんどは,不必要又は必要度が低いという結論になったと述べ,
控訴人の授業担当計画を特任教員推薦委員会に提出することはできない,
投票で否決されるような事態を避けたいなどとして,
特任教員への任用申請を辞退するよう求めた。
これに対して,控訴人は,特任教員への任用申請を辞退する意思はなく,
投票で否決されることになっても構わないので手続を進めて欲しいとの意向を示した。
この際,被控訴人井形が,控訴人に説明した内容は,概ね次のようなものであった。
(甲10,11)
(ア)第2部科目として記載されている「情報ネットワーク論I・U」及び
「情報バリューエンジニアリング」「経営情報論」等は,
学則(乙7)上は第2部の科目としては存在しないので,
特任教員への任用に際しては,担当科目として設けることはできない。
控訴人は,平成23年度及び平成24年度において
上記の科目を第2部の時間帯にも開講していたが,
これは例外的措置として行われていたものであるから,
平成25年度以降,これを継続する必要性は少ない。
(イ)「外国書講読I・U」については,大学院進学者の入試対策であるところ,
成果が上がっていないことから必要度が低く,廃止するか,
大学院の出題傾向に明るい人が担当する方がよりふさわしいとして,
カリキュラム検討委員会で従前から廃止意見があった。
(ウ)「経営情報論」は,平成24年に経営情報学部が廃止されたことを考慮しても,
文化系の学部である経営学部においては,独立の科目としての重要度が低い。
(工)「情報バリューエンジニアリング」については,
同科目が経営学部のカリキュラム体系上,必要か否かが明確ではない。」
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<原告の説明>
被告らが不法行為している事実がそのまま述べられている。
これが「不法行為ではないと認識する事実認定」か
「不法行為をしていると認識する事実認定」か、
裁判官が判決に用いる「事実認定」の意味は、原告には判別がつかない。
こういうことであるという事実を認定して、何らかの基準(憲法、学内・外の規程など)で、
あるいは、裁判官の「心証主義」のもとで、判決をくだされるのか、
興味あるところである。
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オ 被告井形は,平成24年10月16日,徳永学長と協議し,
同日,その内容等を記載したメールを,原告に送信した。
同メールには,概要以下の記載がある。(以上につき,乙18)
徳永学長に対し,原告の授業計画書に「不備」(カリキュラム検討委員会による
否認の意味)があるものの特任教員推薦委員会への提案は可能か尋ねたが,
過去の事例においても,書類上の「不備」がある候補者の受理はしておらず,
特任教員推薦委員会の開催も不可能であるとの回答であり,
今後,手続を進めていくことは事実上不可能となった,
経営学部においては,教員の講義担当はカリキュラム検討委員会の審議を経て
教授会で承認されているから,
今回についてのみ,カリキュラム検討委員会の審議結果を無視して
特任教員の任用手続 を進めることは不可能と考えられる。
力 平成24年11月16日,被告大学経営学部の教授会が開催され,
原告の特任教員の任用申請が不受理となったことなどが報告された(甲14,15,乙20)。
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<原告の説明>
「徳永学長と協議」としているが、これは「協議」ではなく、相談である。
参議院法制局は「協議」を次のように定義している。
★ 一定の行為をする場合において、その行為に利害関係を有する私人があるときに、
私人と合議する場合、同意が得られない場合は、
単に「協議しなければならない」とだけ規定されている場合は、
協議を尽くしたが相手の納得が得られない場合には
その行為を進めてもやむを得ないと解されるケースが多い。
これは、特任教員任用規程の「任用手続き」での原告と
被告井形、教務委員長(全学部)との3者協議のケースに該当する。
★ 合議体の機関が一定の事項について合議する場合は、合議体の構成員全員の同意が
得られない場合は、協議が調わなかったということになりそうですが、
場合によっては、多数決などの手段を用いてでも合議体に何らかの結論を出させ、
その結論に基づいて一定の行為を行うこととするケースもある、と説明している。
これは、特任教員推薦委員会は構成メンバー8名の合議制であることは、
瀬岡教授の特任申請の際、50対50で票が割れ、重森推薦委員長の1票で
瀬岡教授の特任申請が却下されたケースより、理解される。
これより、被告井形は、「協議」ではなく、「相談」しているのであって、
徳永委員長の
「推薦委員会で審議して、「書類の不備」ある場合は、受理しない、
すなわち、教授会に推薦しない」という言葉の一部「書類の不備」をもって、
徳永学長が原告の特任申請を却下することを決定した」などとして、
2012年(平成24年)11月16日の経営学部教授会で述べている。
⇒
2012年11月16日教授会、被告井形が原告の特任人事は不受理と説明、反訳書(甲14)
⇒
学部執行部らは、「書類の不備とは何か」に答えることを拒否、録音データ(甲15)
大阪高裁は、上記の事実認定のもとで、判決を下している。
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下記で、赤色部分は、規程の解釈ミスなど同意不可を示し、紫色部分は、同意を示す。
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2 争点1
(被告大学において,特任教員の任用を申請すれば任用されるという労使慣行があったか)
(1)
前記第2の3で付加・訂正の上引用した原判決第2の1(2)のとおり,
被告大学においては,特任教員の任用に関する規程が変更されている。
そこで,旧規程と現行規程を比較すると,
任用資格の点について,旧規程では被告大学での在任期間は問題とされていなかったものが,
現行規程においては,被告大学に一定期間在任したことが要件とされており,
退職事由についても,旧規程においては中途退職等の場合も認められていたものが,
現行規定においては定年退職の場合に限定されている。
そして,任用に必要な条件としても,
現行規程においては,旧規程では設けられていなかった研究論文あるいは著書の公表や,
任期中に担当する授業の時間数に関する条件等が設けられたほか,
任用手続の点についても理事会の承認を得ることが加えられている。
他方,特任教員の種類,任期は同様であるといえ,
特任教員推薦委員会の設置についても同様であるほか,
特任教員推薦委員会や教授会における手続もほぼ同様であるといえる。
以上に加えて,原判決第3の1(1)ア(ウ)のとおり,
理事会の関与が明示されていなかった旧規程のもとにおいても,
理事会の判断により,任用されなかった事例があることに照らせば,
現行規程において理事会の関与が規定されたのは,
旧規程において規程されていなかったものを明示したものと評価できること,
任用基準として定められた研究論文の数等についても,
旧規程においては基準が明確でなかったことから,明確にしたものと解する余地があること,
なにより,被告井形が,
規程の変更前後を通じて,特任教員の任用の審査手続において,
具体的に変更になった点はない旨明確に供述していること
(被告井形本人尋問調書25頁)をも併せ考慮すれば,
旧規程と現行規程において,
特任教員の任用については,実質的には大きな変更はなかったと解するのが相当である。
そうすると,労使慣行の有無の判断においては,
現行規程下における事情のみならず,旧規程下における事情も考慮することとなる。
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争点1「労使慣行の有無」を判断するための前提条件を整理する。
大阪高裁の判断材料に、原告が提出した、下記証拠が反映されていない。
(A)大阪高裁判断材料の欠落その1:「労使慣行の存在」に関する、
大経大の経営責任を負う井阪理事長と教学の長である重森学長の発言を無視
この2人の発言を受けて、旧規程が新規程に改変されている。
2005年7月1日の合同教授会で、井阪健一理事長および重森暁学長が
里上譲衛教授の特任教授としての再雇用に関連して、
人事に関する労使慣行について言及される。
⇒
(甲25)2005年7月1日、合同教授会での井阪理事長、重森学長発言。
⇒
(甲30)上記反訳書の音声データ、井阪理事長発言(11分10秒当たり、検索番号8)、
重森学長発言(13分24秒~17分32秒当たり、同、10、12)
井阪理事長は次のように発言されている。
「学長のほうから“教育上の”という言葉がありましたけれども、
私は推薦委員会で具体的な事項としてはそういうものが中心になると思いますけれども、
特任教員としていう場合には教育・研究だけではないと思う」
「ある領域に限定して協議してそれを超える問題があったか、という説明ですけれども、
私はそれは今後はその基礎にならないというふうに感じております」。
重森学長は次のように発言されている。
「現行の特任教員規程では教育に関する任用基準と研究に関する任用基準だけになっていて、
それ以外のものはありません。」
「教育的な基準だけじゃなくて、もう少し幅広く基準を設けていくということが
教学の観点からも必要じゃないか」と述べられ、
「今日こういう形で所信を表明する会を開いたのも、今回は、例外中の例外の問題であって、
これまで本学がとってきた教授会自治を中心とする大学の在り方については、
なんら変化がないことを申し上げるために開いた、といっても過言ではない」
「今回のことは、例外中の例外というふうに受けとめて、
従来からの本学の、人事をする教授会と理事会との関係はなんらの変化はないということを
申し上げたくて開いたという趣旨です」。
(A)の結論
大阪経済大学の経営責任を負う井阪理事長と教学の長である重森学長が、
里上教授の特任任用を却下したことは、<「例外中の例外」として、
従来からの本学の、人事をする教授会と理事会との関係はなんらの変化はない>
とされていることより、
大阪高裁の判示
「里上教授,A教授及びB教授が特任教員に任用されなかったことについて,
控訴人が主張するような事情があったとしても,既に認定したような経過を経て
特任教員に任用されなかったことは事実であり,
このことは,控訴人が主張する労使慣行が存在しなかったことを推認させるもの
ということができる」
は、誤判断であると、原告は主張する。
被告大学および原告の特任任用実績データの精査が欠落
(Bー1)「労使慣行の存在」に関する、被告大学および原告の特任任用実績データと
大阪地裁が採用したデータ
<被告が大阪地裁に提出した特任任用実績データ>
@ 2014年8月8日被告準備書面(5)の証拠:乙30、乙31
1990年度から2004年度審査のマスキングした被告大学の特任任用実績データ
⇒ 乙30、2005年4月19日、里上教授の裁判の際、
被告大学が大阪地裁に提出した定年退職者名簿(1990年度〜2004年度審査)
⇒ 乙31、2005年5月31日、里上裁判において、
被告大学が上記定年退職者名簿に誤りがあったとの説明文書
A 準備書面(2)には、2012年度(平成24年度)審査の特任任用実績が陳述。
B 準備書面(5)には、2004年度審査で、推薦委員会が瀬岡教授を却下したと陳述。
⇒ 乙29、2005年10月14日、経済学部教授会議事録、
特任教員推薦委員会は瀬岡吉彦教授を当該教授会に推薦しないと報告
<大阪地裁が採用した、特任任用実績データは、被告大学の虚偽データ>
⇒ 2014年9月30日、大阪地裁判決の18ページ記載の特任任用実績データ
<原告が大阪高裁に提出した特任任用実績データ>
C 原告作成の特任任用実績データ(1990年度から2012年度審査)は、
大阪地裁では未提出で、大阪高裁の控訴理由書の最後に修正した形で掲載されている。
⇒ 原告の控訴理由書の末尾に掲載した、最後まで特任申請をし、
採用された特任任用実績データ(1990年度から2012年度審査)
D 大阪高裁の控訴理由書に添付した、原告の元データを以下に示す。
大阪地裁では未提出で、大阪高裁の控訴理由書の最後に修正した形で掲載されている。
⇒
原告作成の特任任用実績データ(1997年度から2012年度審査の17年間)
E 1990年度から2004年度審査における、
原告作成のデータDと被告大学が提出した特任任用実績データ@を対比した表を示し、
労使慣行の存在を分析する。
⇒
1990年度から2004年度審査の15年間の特任任用実績、
被告作成の特任任用実績(左表)の虚偽を示す原告の実績(右表)
(Bー2)被告大学のデータ @ に虚偽事実があることを原告のデータ D で確認し、
1990〜2004年度の15年間の労使慣行の存在を確認する
原告のデータは、被告大学の年度別学部教員表と里上教授が調べた里上裁判の資料、
原告が大学の同僚・先輩および直接本人に確認したデータである。
これをもとに、1990〜2004年度の期間で、被告大学のデータを精査し、
実名と、辞退者、不採用者の理由を調べた事実データを明記する。
被告大学の主張は、2013年11月26日の準備書面(2)に記載の下記内容である。
2004年度から2012年度までの対象者(定年に達した者)30名のうち、
特任教員採用申し出をしても、推薦委員会で否定されたケース、
教授会で反対があり辞退に至ったケース、
要件が合わないということで申出を断念したケースなどがあり、
採用された者は22名であることを補足しておく。
この記述によれば、30名中22名の特任採用で、採用率73%であり、
確かに、「労使慣行は存在しない」と納得する情報である。
ここで、被告大学の虚偽、データの誤りを指摘すると、
母数を定年退職者30名としている。
原告のデータ D をもとに分析すると、母数に、
特任資格のない者3名、特任申請を最初から辞退した者4名、
被告大学が原告を名誉棄損で訴えた裁判では、原告は有資格者と判示している、
パワハラで申請書類を提出されなかった原告1名、
井阪理事長・重森学長が「例外中の例外」とした者3名
合計11名を水増しし、
特任採用者は19名(採用率63%)で、合計30名となり、
被告大学のいう特任採用者22名は誤りである。
このように、「定年になっても特任に採用されるとはいえない」と、被告大学は主張し、
大阪地裁裁判官は「心証主義」のもとで、これを「真実」として判決している。
なお、被告大学の証拠(乙30、31)の、1990〜2004年度の15年間を分析、
下記に示す。
-----------------------------------------------------------------------------------------
被告大学のデータでは、次に示すように、特任採用率は70%である。
定年退職者数 30名のうち、
特任採用者 21名 (70%)
特任却下者 2名 (2004年:森田寿一、里上譲衛)
パワハラで申請辞退 1名 (香川尚道、樋口克次による執拗な反対で辞退)
特任辞退者 4名 (大川正人、西野証治、高城寛、近藤秀麿)
不明者 1名 (1996年度、実在の人物か否か、
特任資格の有無を含め、全く不明)
特任資格対象外 1名 (入江正)
-----------------------------------------------------------------------------------------
原告のデータでは、正常な状態で、「特任任用における労使慣行の存在」を評価するために、
例外を除くと、次に示すように、特任採用率は100%である。
特任教員対象者 23名
特任申請者 21名
特任採用者 21名 (100%)
<例外中の例外> 2名 ※井阪理事長・重森学長発言より
特任却下者 2名 (2004年:森田寿一、里上譲衛)
<除外対象者> 5名 ※当初若しくは途中で申請を辞退した者
特任辞退者 4名 (大川正人、西野証治、高城寛、近藤秀麿)
パワハラで申請辞退 1名 (香川尚道、樋口克次による執拗な反対で辞退)
-----------------------------------------------------------------------------------------
(Bー3)結論、特任人事において、「労使慣行は存在する。」
上記のように、2004年度から2012年度の15年間において、
「労使慣行の存在」は確認された。
同じ手続きで、1990年度から2012年度の約4分の1世紀に亘って、分析した結果、
パワハラなどを除いた正常な状態では、
「特任任用における労使慣行の存在」が立証されている。
(C)大阪高裁の判断ミスその1:旧規程には無い、新規程の「特に」の意味を誤認識
大阪高裁が「労使慣行の存在」を考えるうえで、
規程の変更が特任任用に影響を及ぼしていないと判断する材料にした
「被告井形が,規程の変更前後を通じて,特任教員の任用の審査手続において,
具体的に変更になった点はない旨明確に供述していること」、
これは、被告井形が尋問で虚偽の陳述をしたものである。
原告は、特任任用には大きな影響があるが、
井阪理事長・重森学長のお話しにあるように、「労使慣行の存在」には影響しないと判断する。
なお、前述の「経営責任を負う井阪理事長と教学の長である重森学長」の趣旨を受けて、
元の規程(旧規程と呼ばれている)は新規程(大阪高裁のいう現行規程)に変わっている。
⇒ 特任教員任用規程、新規程と旧規程の対比
新規程の対象には、
「本学の研究、教育水準の向上のために特に必要があると認められるときには、」と、
「特に」が追加され、
「任用基準」に、旧規程にない「本学の教員としてふさわしい
研究・教育・運営上の活動を行ってきたと認められること」が追加され、
「任用手続き」には、「教授会で決定された候補者について理事会の承認が得られない場合は、
推薦委員会において再度審査する。」が追加されている。
「教授会の自治」と「経営責任を担う理事会」のバランスが明文化されており、
「研究・教育の向上」と「社会貢献」が謳われていると原告は理解しており、
里上教授にみられた「学長選挙管理委員長の立場で、前学長の選挙参謀を務める」ような
違反行為をする教員の特任任用は少なくとも排除しようと規定されている。
したがって、被告井形の陳述を信用することは、高裁裁判官の誤認識となる。
(D)大阪高裁の判断ミスその2:被告大阪経済大学、被告井形および被告池島の
準備書面、尋問などでの虚偽陳述を誤信
大阪高裁は、被告大学、被告井形および被告池島を信用して、判決を下し、
その理解のもとで「労使慣行の存在」を否定されている、と原告は推認しているが、
被告大学の特任実績データには誤認識させる仕掛けをしており、
準備書面には、誤認識を確かにする陳述になっており、
尋問では、被告井形および被告池島は、特任任用規程や経営学部教授会規程など
内外の規程を遵守しない内容を、あたかも真実であるかのように陳述している。
これでは、分析・評価しなければ、
表面上の情報では、高裁裁判官が誤認識するのはやむを得ない。
原告が言いたいのは、規程に問題があるのではなく、それを運用する人に問題があり、
その行動が、特任人事における労使慣行の存在の認否に影響する、
というリスクを有しているということである。
その例を「二宮特任人事」で説明する。なお、詳細は次のHPを参照されたい。
⇒
被告らの不法行為を明らかにする
⇒
被告らは、何故、推薦委員会に推薦できなかったのか
⇒
特任人事における労使慣行の存在を明らかにする
⇒
大阪地裁の判決とその分析・評価
(Dー1)「二宮特任人事」は、特任任用規程(新規程)の「特に」に抵触する
大阪高裁は、<「被控訴人大学における二宮教授に対する措置も,上記認定のような経過を経て,
注意に留まっていること」と改める。>と、認定しているが、
二宮教授は、新規程に定められた「大学人の資質」に抵触する人物で、それを以下に示す。
⇒
西口教授と学生数名が名指ししたセクハラに係わる人権委員会議事録
⇒
二宮正司と樋口克次学部執行部は、その地位を利用して原告の担当科目を減らす。
⇒
2006年1月13日の教授会で、1コマ減らしを問題提起する
⇒
上記の音声データ
⇒
1997年から2012年に亘る経営学部におけるパワハラの履歴
上記の情報をもとに、二宮教授をセクハラで人権委員会に訴えた西口教授のケースについて述べる。
2001年7月頃の人権委員会議事録には、セクハラで訴えられた二宮正司教授(A氏)と
「A氏付き添い1名個人として」と北村實人権委員の名前が伏せられている。
人権委員会に訴えられると調査委員会が組織されるが、
その調査委員ではない北村人権委員が二宮教授を擁護するために付き添ったケースである。
その後、北村實は人権委員会委員長となり、人権委員会に懲罰委員会が組織されると、
退職に追い込まれるリスクのある懲罰規程を含む現在の人権委員会規程が制定される。
これを契機に、北村グループは二宮グループを吸収、経営学部を実質支配、今日に至っている。
なお、その後、西口教授は、
経営学部教授会は、彼女を湯茶室に待機させ、担当科目を持たせない、と決議し、
彼女は「担当科目のない教授は教授ではない」と退職に追い込まれている。
原告のケースでは、2006年1月頃、担当科目の1コマ減らしというパワハラを経験しているが、
詳細はHPを参照されたい。
これより、大阪高裁のこの「認定」には、原告は疑義を感じている。
(Dー2)規程を「運用する人」が問題:被告井形および被告池島の陳述は信用できない
2つ事例を挙げる。「二宮特任人事」と原告の「1部科目の2部重複開講」である。
● 「二宮特任人事」
2010年10月22日経営学部教授会の議事録には、
「二宮正司教授、大阪経済大学特任教員Aとすることを決定した」とあり、
議論の有無も何も記載されていない。
この「二宮特任人事」は、北村實学部長・理事、井形副学部長兼カリキュラム委員長、
池島カリキュラム委員らがすすめ、
数人の教授会メンバーから議論もなく承認されたと原告に知らされている。
この教授会で、次期学部長に被告井形が選出され、
被告池島は、副学部長兼カリキュラム委員長に就任している。
したがって、被告井形および被告池島は、二宮特任人事に直接関与しており、
二宮教授の特任人事は
新規程の「特に」に抵触することを知りながら、「任用手続き」をすすめている。
被告井形は裁判官の尋問「特任教員の任用の … 井形さん自身がやられたことない」に対し、
「もちろんございません。今回初めてでございますんで」と答えている。
被告池島は原告代理人の尋問「 … 二宮教授の担当科目あるいは担当予定科目,
担当計画について検討されたんですね」に対し、
「二宮先生のときには,私はカリキュラム委員会のメンバーじゃなかったと思います」
と陳述している。
これより、特任教員任用規程(新規程)を熟知したうえで、新規程の「運用手続き」を
無視した不法行為を、原告に対して画策・遂行した、と推認される。
● 原告の「1部科目の2部重複開講」
被告井形と被告池島は、原告に「自主的に特任申請を辞退せよ」と説得する材料とするために、
次の6つの理由を挙げている。
⇒
2012年10月15日、被告井形が原告に特任申請辞退を迫った6つの理由
⇒
2013年2月15日、1部科目の2部重複開講の指示は被告井形とのメール
この2人が、原告が「1部科目の2部重複開講」をする教学ルールを無視する人物に仕立て、
2012年10月15日に、原告に自主的に特任申請を辞退せよと迫っている。
なお、この「1部科目の2部重複開講」を仕掛けたのは被告井形学部長その人であり、
直接、教務課に行き、教務課員に指示している。
(2)旧規程下において、任用申請しても特任教員に任用されなかった3名がいた。
----------------------------------------------------------------------------------------------
(2)
原判決第3の1(1)ア(イ)のとおり,被控訴人大学においては,
平成16年度にA教授が特任教員への任用申請をし,
特任教員推薦委員会もいったんは推薦したものの,
教授会において継続審議となることが繰り返されたことを受け,
再検討した結果,推薦を取り消すこととしたことがあり,
その結果,A教授は特任教員に任用されていない。
また,原判決第3の1(1)ア(ウ)のとおり,
平成16年度には里上教授が特任教員への任用申請を希望し,
特任教員推薦委員会が任用を推薦し,
教授会も任用する決議をしたものの,
理事会等において議論がなされ,
最終的には理事長が特任教員に任用しない旨の決定を行い,
里上教授は特任教員に任用されなかった。
さらに,原判決第3の1(1)ア(エ)のとおり,
平成17年度においては,
B教授が特任教員への任用を申請したものの,
特任教員推薦委員会が推薦を行わなかったため,
B教授は特任教員に任用されていない。
これらの事情に加えて,原判決第3の1(1)ア(ア)のとおり,
平成9年度において特任教員への申請をしたものの,
その後,申請を取り下げたという事例もあること等をも併せ考慮すれば,
旧規程下においても,
特任教員への任用申請をすれば必ず特任教員に任用されたのではなく,
特任教員推薦委員会の判断,
教授会の判断,
理事長あるいは理事会の判断により,
特任教員に任用されないという事態もあったことが認められる。
--------------------------- <原告が問題視する理由> -------------------------------------
大阪高裁の判断が誤っているのは、
特任教員への任用申請をすれば必ず特任教員に任用されたのではなく,
特任教員推薦委員会の判断(瀬岡教授のケース),
教授会の判断(森田教授のケースだが、
「任用手続き」のもとで推薦委員会の判断とするのが正しい。
規程では、教授会が拒否しても特任申請は却下されず、
推薦委員会に戻されるのみである),
理事長あるいは理事会の判断により(里上教授のケース),
特任教員に任用されないという事態もあったことが認められる。
原告が証拠として提出した、井阪理事長、重森学長の趣旨を反映すれば、
この3名は、「例外中の例外」として、
「特任人事において、従来の労使慣行は変わらず」
との言葉を尊重すれば、
「特任人事における労使慣行の存在の有無」の対象外になる。
次の項目をクリックして、確認してください。
クリック 事実認定1:平成2〜16年度の特任任用実績と森田教授の特任任用手続き
クリック 事実認定2:特任任用が却下された里上教授、特任申請が却下された瀬岡教授
クリック(A)大阪高裁判断材料の欠落その1:「労使慣行の存在」に関する、
大経大の経営責任を負う井阪理事長と教学の長である重森学長の発言を無視
クリック(B)大阪高裁判断材料の欠落その2:「労使慣行の存在」に関する、
被告大学および原告の特任任用実績データの精査が欠落
なお、詳しく知りたい場合は、次のHPを参照してください。
⇒
「例外中の例外」の3名は、労使慣行の議論から除くべき
(3)特任人事は「再雇用」、採用されるとは限らないという認識が当然である!
----------------------------------------------------------------------------------------------
(3)
さらに,証拠(甲14の6〜8頁,甲15)によると,平成24年11月16日の教授会において,
渡辺教授が,かつては,特任教員への任用は自動的な雇用延長であると理解していたところ,
理事会の判断で特任教員に任用されないという事態が発生したことから,
再雇用であると認識するようになったが,
再雇用であるとすると,
少なくとも1年くらい前には任用手続を完了しておくというような方法が必要ではないか
との趣旨の発言をし,
これに対しては,他の出席者からは特段の意見は述べられなかったことが認められる。
--------------------------- <原告が問題視する理由> -------------------------------------
大阪高裁の判断は、
「再雇用」であるから、必ずしも任用されるとは限らない。
教授会の出席メンバーからも発言がなかったから、「同意」とみなされ、
「特任申請しても、再雇用されるとは限らない」
よって、「労使慣行は存在しない」という、シナリオによるものである。
原告が大阪高裁に提出した証拠を閲覧し、その録音を視聴すれば、
再雇用を前提にして、特任人事における「労使慣行」の立ち位置が理解されるはずである。
(甲25)2005年7月1日、合同教授会での、再雇用をめぐる問題についての、
井阪健―理事長および重森暁学長の所信表明
(甲30)上記反訳書の音声データ
(甲23)2012年10月19日、草薙副学長・理事の、特任人事における見識
(甲28)上記、音声データ
(甲24)2012年10月19日、山田文明学長補佐の、特任人事、再雇用の趣旨説明
(甲29)上記、音声データ
特任任用実績のデータから、「特任人事の労使慣行の存在」が立証される。
次の2つの情報を閲覧してください。
クリック (B)大阪高裁判断材料の欠落その2:「労使慣行の存在」に関する、
被告大学および原告の特任任用実績データの精査が欠落
⇒
「例外中の例外」の3名は、労使慣行の議論から除くべき
(4)総合考慮すれば,特任人事において「労使慣行があった」とは認められない。
----------------------------------------------------------------------------------------------
(4)
以上を総合考慮すれば,
被告大学においては,特任教員への任用申請があったとしても当然に任用されるものではなく,
任用には,
特任教員推薦委員会の推薦,
教授会の決定及び理事会の推薦あるいは承認が要件となっており,
特任教員推薦委員会,教授会及び理事会の各段階において,
特任教員に任用するか否かの判断がなされ,
特任教員に任用することが相当ではないとの判断がなされる
という事態があったことが認められるのであり,
また,労使双方ともがそのような認識を有していたというべきである。
そうすると,
被告大学において,特任教員への任用を申請すれば形式的な審査が行われるのみで
必ず任用されるという労使慣行があったと認めることはできない。
--------------------------- <原告が問題視する理由> -------------------------------------
大阪高裁の判断の誤りは、
理事会の長である井阪理事長、教学の長である重森学長の、
「特任人事において、労使慣行は従来と変わらず」と発言されている趣旨を
立証する原告の証拠、甲25および甲30を「裁判官の心証主義」のもとで、棄却し、
被告大学の特任任用の虚偽データを正しいデータと信用し、
特任教員任用規程の「任用基準」「任用手続き」の形式性を無視し、
形式的な審査が行われるのみで
特任人事において、労使慣行は存在しない、と判示しているところである。
(5)形式的審査、実質的審査の事実を判断すると、いずれも労使慣行は存在しない
----------------------------------------------------------------------------------------------
(5)
なお,原告は,
@里上教授との別件の地位保全仮処分申立事件(以下「別件仮処分申立事件」という。)において、
被告大学が特任教員推薦委員会の審査が形式的であることを認めていた,
A過去に問題を起こした教授であっても,特任教員に任用されていることも主張する。
上記@については、確かに、証拠(甲13)によると、被控訴人大学が,別件仮処分申立事件において、
控訴人の指摘するような主張をしていたことが認められる。
しかし,先に認定・説示したとおり,A教授やB教授の例のように,
特任教員推薦委員会や教授会で審議が行われた結果,
特任教員推薦委員会が推薦しないとの判断をした事例があることからすると,
別件仮処分申立事件における被控訴人大学の上記主張は,
実態とは異なるものであったということができるのであって,
被控訴人大学が上記のような主張をしたことから,
特任教員推薦委員会の審査が形式的なものであった
と認めることはできない。
したがって,別件における被告大学の主張をもって,
被告大学において、
原告が主張するような労使慣行があったことの証左と評価することはできない。
上記Aについては,証拠(甲19〜21)及び弁論の全趣旨によると,
被控訴人大学は,経営学部の二宮教授について,
平成12年に,平成11年に退職した元女性教授からセクシャル・ハラスメント被害に
関する申告を受けて人権委員会及び調査委員会で調査を行ったところ,
当該行為については,セクシャル・ハラスメントの有無を判断することができなかったものの,
その過程で,二宮教授が,学外で行われた歓送迎会の席上で女性従業員の体の一部を触る行為を
行っていたことが判明したことから,平成13年7月頃に注意を行ったこと,
二宮教授は,平成23年に特任教員に任用されたことが認められる。
しかし,上記のような行為が不適切な行為であることはいうまでもないが,
同行為は,二宮教授が特任教員に任用される10年以上前の行為であり,
被控訴人大学における二宮教授に対する措置も,
上記認定のような経過を経て,注意に留まっていることなどに照らせば,
二宮教授が特任教員に任用されたとしても,そのことをもって,直ちに,被告大学において,
原告が主張するような労使慣行があったことの証左と評価することはできない。
--------------------------- <原告が問題視する理由> -------------------------------------
大阪高裁の、「特任人事において、労使慣行は存在しない」とするシナリオは、
被告大学では、里上教授のケースのように形式的に特任教授と教授会で採用されたが、
実質的に理事会からのクレームのもとで、特任教授を解任、不採用になっているから、
形式的とはいえない。
過去に問題を起こした二宮教授でさえ、
形式的に特任教授に採用されていると原告が主張するかもしれないが、
彼のケースは、実質的に被告大学側が調査などを踏まえ、注意がなされていること、
10年以上も前のことでもあることから
禊を受けて綺麗な体になっているから、
この特任任用は原告の主張する形式的とはみなせない。
したがって、形式的に特任教員に任用されることはないため、
被告大学においては、特任人事において、労使慣行は存在しない、という判断である。
大阪高裁の判決が誤りがあると指摘する理由は、
争点1の(A)(B)(C)(D)他、既に述べているが、
@ 裁判官の心証主義のもとで、原告の証拠を採用していないこと、これが最大の理由である。
甲25、その録音(甲30)での理事会の長、井阪理事長、教学の長、重森学長が
全教員を集めた合同教授会で、
学長選挙での選挙管理委員長であった里上教授が前学長の選挙参謀を務めた、
里上教授の件は「例外中の例外」で
人事における労使慣行は従来と変わらず、と発言されている。
A教授は森田教授で瀬岡教授の選挙参謀であり、
「書類の不備」は推薦委員会(経済学部出身の重森学長が推薦委員会委員長)と
経済学部との関係からくる後付け理由であり、
B教授は、学長選挙に出馬された瀬岡教授で、
重森学長が直接、推薦委員会で推薦しないことにした、と了解を求められたケースであり、
原告が、直接、瀬岡教授からお聞きしている事由であり、
彼が6年勤務していたことから、
新規程では、旧規程の5年から6年に変更されたとお聞きしている。
したがって、裁判官の判断根拠の3名は、
被告大学の最高責任者が「例外中の例外」としていることで、
裁判官の判断根拠は消滅している。
A 「形式的」に拘り過ぎで、「形式的」と「実質的」は表裏一体である。
特任教員任用規程では、
「任用基準」の下記それぞれを形式的に整っておれば、ということは、
論文であれば、その数が規程を充たしておれば、形式的にOKとなる。
「本学の教員としてふさわしい研究・教育・運営上の活動」を形式的に評価できるか、
というと、判断基準が客観化されていないため、実質的審査となる。
@ 過去5年間において専門分野における研究論文を2点 以上、
あるいは著書1点 以上を公表し、研究が継続して行われていること。
A 過去5年間の授業の担当および実績状況が適切であり、
今後の教育活動に支障がないこと。
B 任期中に担当する授業の時間数が、専任教員の実情と比べて
著しく少なくないこと。
C 本学の教員としてふさわしい研究・教育・運営上の活動を行って
きたと認められること
「任用手続き」では、
下記のそれぞれの手続きを形式的に進めていけば、「形式的」であったと解せるが、
「過去5年間の研究業績の提出を求める」では、
業績を出しておれば、形式的にOKと判断することが可能である。
E では、「推薦された者の特任教員としての採用について審査し、
候補者として決定する」を形式的に審査するには、
その判断根拠が明示されていない。そのため、
森田教授のケースのように実質的調査が求められる。
これは、「形式的」を担保するための「手段」であり、「実質的」である。
@ 推薦委員会は、対象者に過去5年間の研究業績の提出を求める。
A 教務委員長は、過去5年 間の授業実績状況を委員会に報告する。
B 学部長は教務委員長および対象者と協議の上、授業担当計画を
推薦委員会に提出する。
C 推薦委員会は、対象者に本学における役職歴の提出を求める。
D 推薦委員会は、任用基準に基づき適当であると認められた者を
当該教授会に推薦する。
E 当該教授会は、推薦された者の特任教員としての採用について
審査し、候補者として決定する。
F 当該教授会の学部長は、教授会で決定された候補者について
理事会にただちに報告する。
G 教授会で決定された候補者について理事会の承認が得られない
場合は、推薦委員会において再度審査する。
以上より、「形式的」と「実質的」は表裏一体であり、
被告大学は、旧規程において、規程どおり形式的に進めていたという証左である。
ただし、二宮教授のケースは、「形式的」手続きを踏まない形で、
特任教員として採用されている。
すなわち、「任用基準」Cの形式的審査が行われていない。
「任用手続き」ではDおよびEの手続きがなされていない、特殊なケースである。
経営学部教授会の特殊性は、草薙裁判での草薙元副学長・理事の陳述から認識できる。
「当時から現在に至るまで,北村理事のやり方は一貫しており,
理事会においても学部教授会においても問題事を公の場に出さず,
自分とその周辺に不利な事はどのような手段を用いてでも揉み消そうとする,
というものです。
吉井氏は裁判に訴える以外の方法で,
自身の問題を公にして争うことはできなかったと思います。」
「法律の専門家である佐伯照道理事(弁護士,元大阪弁護士会会長,元近畿弁護士会連合会
理事長)の「この件が裁判になれば負ける」という発言にさえ聞く耳を持たず,
一意見として退け,自身の主張のみを押し通してきました。」
「このように北村理事は一貫して徳永学長と対立し,学長を孤立させて力を削ぐ一方で,
理事長の陰に隠れて理事会運営における主導権,
つまり実質的な最高権力の掌握を画策してきたように見えます。」
「吉井裁判で不法行為の判決を受け入れた2名は処分の対象にならず,
むしろ被害者であるかのように北村理事は彼らを擁護しています。」
「北村理事は,
自身が吉井氏から「パワハラの加害者」と指摘されていることを無視しつつ,
懲戒等検討委員会において警察のように捜査を担い,
理事会においては検事のように追及するとともに裁判官のように判決を下す,
という3つの役割において主導的な役割を果たしてきました。」
⇒ 草薙裁判、草薙氏の陳述書
この情報をもとに、西口教授が人権委員会にセクハラを訴えた時に、
調査委員でないにもかかわらず、二宮教授に付き添い、
問題が表面化しないように画策した人物であり、
北村理事も、二宮教授も、それぞれ、
原告の担当科目を1コマ減らしてきた人物である。
・西口教授の人権委員会提出文書(甲19)
・二宮学部長、樋口副学部長による原告の担当科目1コマ減らし(甲27の2)
北村理事が、実質、採用人事を主導しており、意向にかなう人物として採用したのが、
被告井形、被告池島である。
これらより、
「新規程」があっても、「新規程」を遵守しない経営学部執行部のもとでは、
「形式性」の評価も、「労使慣行の存在」の評価も、
より精細な判断のもとで判決しなければ、
誤った判決に至るリスクが大きいということである。
このあたりは、証拠として提出していないため、
「新規程」のもとで、形式的な審査は行われていないが、事実からみた真実である。
B 被告大学の特任任用実績には、
誤解させる虚偽データがあり、
準備書面および被告井形、被告池島の陳述には判決に影響を及ぼすと推認される
多くの虚偽がある。
これらより、大阪高裁の、
「特任人事において、労使慣行は存在しない」とするシナリオは、却下されるべきと判断する。
(6)控訴人が主張する「労使慣行の存在」は認められない
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(6)
また,控訴人は,
@ 被控訴人大学の経営学部においては,特任教員への任用の申請をし,最後まで
その意思を有していたにもかかわらず,手続の過程で不採用になった者は一人もいない,
A 3名の者(里上教授,A教授及びB教授)が特任教員に任用されなかった背景には
平成16年度の学長選挙の影響があり、極めて政治的な要因によるものであったと主張する。
しかし,上記@については,
被控訴人大学における特任教員への任用は,
旧規程及び現行規程において,その要件や手続が大学全体のものとして定められており、
特任教員推薦委員会も,大学全体の委員会であること(原判決第2の1(2))などからすると、
経営学部に限って労使慣行の有無を判断することは相当ではない。
また,
上記Aについては,
里上教授,A教授及びB教授が特任教員に任用されなかったことについて,
控訴人が主張するような事情があったとしても,
既に認定したような経過を経て特任教員に任用されなかったことは事実であり,
このことは,控訴人が主張する
労使慣行が存在しなかったことを推認させるものということができる。
したがって,控訴人が主張する労使慣行があったと
認めることはできないとの前記判断が左右されることはない。
--------------------------- <原告が問題視する理由> -------------------------------------
この部分は、大阪高裁が追加した部分である。
@ の「特任教員への任用の申請をし,最後までその意思を有していたにもかかわらず,
手続の過程で不採用になった者は一人もいない」は、原告の分析では、そのとおりである。
なお、
「経営学部に限って労使慣行の有無を判断することは相当ではない」については、
原告の準備書面の陳述に反するが、当然であり、同意である。
Aについては、
「既に認定したような経過を経て特任教員に任用されなかったことは事実」の
「経過を経て」のところに、
被告大学の井阪理事長および重森学長が、
里上教授の件は「例外中の例外」として
「人事においては、労使慣行は従前と変わらず」
と発言されている事実が欠落しているために、
反対の結論に至っているのである。
それよりも、
何故、提出した証拠を精査されなかったのかが、原告の知りたいところである。
なお、データ処理の基本の1つに、異常値の扱いがある。
井阪理事長も、重森学長も、「例外中の例外」というデータを除いてこそ、
すなわち、正常とみなせる状態で、「労使慣行」の存在を判断することが望ましく、
被告大学の最高責任者の両名が「人事においては、労使慣行は従前と変わらず」
と発言されていることより、
特任人事においても「従前と変わらず、労使慣行が存在する」という結論に至るが、
判決は既に確定しており、
第3者の判断はどうか、原告は知りたいところである。
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