パワハラ/アカハラに関与した学部執行部(2014年度時点)
井形浩治被告 池島真策被告 北村實元副学長 二宮正司元学部長 樋口克次元副学部長 田中健吾元学部長補佐 吉野忠男現副学部長
Information
吉 井 康 雄
CVS :
Certified Value Specialist
CMC :
Certified Management
Consultant
MCMC :
Japan Master Certified
Management Consultant
元、大阪経済大学 経営学部 教授
最初に、大阪高裁の判決言い渡しに出席した感想などを「雑感」として述べ、
次に、被告井形浩治の附帯控訴状、附帯控訴理由書(補充)を分析・評価するのが目的である。
⇒ 被告井形の附帯控訴状 ⇒
2015年2月3日、被告井形の、附帯控訴理由書(補充)
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被告井形浩治の附帯控訴状、附帯控訴理由書(補充)の検索項目
1.大阪高裁判決直後の感想
2.被告井形が支払う30万円は、大学の収入源(ほぼ8割が授業料)から?
被告井形の「附帯控訴状」の「附帯控訴の理由2」を抜粋し、分析・評価する。
3.大阪地裁の判決理由@:被告井形は推薦委員会に授業担当計画を提出すべき
4.大阪地裁の判決理由A:被告井形の書類の不備の判断は規程の理解の誤り
5.大阪地裁の判決理由B:被告井形の過失は不法行為に当たる
6.大阪地裁の判決に対する、被告井形の言い分
被告井形の附帯控訴理由(補充部分)を抜粋し、分析・評価する
7.「附帯控訴の理由」補充主張:「授業担当計画の作成権限は学部長」の是非
2015年2月5日、大阪高裁で、原告の控訴審は結審となる。
原告は、初めて、欠席(関東へ、公用で出張のため)したが、
まだ、もう一度、尋問のような、双方の主張をぶつけ合う場が、
当然、あると判断していた。
その理由は、
被告大学および被告井形、被告池島の、
大阪高裁への提出文書が
あまりにも事実に基づかない内容で溢れていることである。
これで、判決を下せるはずがない、と原告は思っていた。
しかし、大阪高裁に控訴した時に、
このような運びになると、聞かされていたことを、結審してから、思い出した次第である。
結果、
原告には納得のいかない判決の言い渡しが、2015年4月23日午後1時10分に行われる。
判決当日、どの発言が原告の裁判に係わる判決か、と、確認する間もなく、
原告の判決部分が読み上げられて、終了である。
原告は、まだ、続きがあるのか、と座っていたら、退席を促される。
これが、2013年2月から2015年4月まで、およそ2年2ヵ月におよぶ、
長い裁判の結果か、と思った時、このうえない虚しさが、去来した。
2.被告井形が支払う30万円は、大学の収入源(ほぼ8割が授業料)から?
大阪地裁は、被告井形に、
原告に30万円支払え
と判決した。
被告井形は一部敗訴により、
大阪高裁に
附帯控訴している。
なお、
被告池島は全面勝訴のため、
附帯控訴対象外となる。
被告井形の附帯控訴理由を
原告が提出している
証拠書類などをもとに
分析・評価するのが
ここでの狙いである。
ここでは
原告は附帯被控訴人となり、
被告井形は附帯控訴人となるが、
原告、被告として、分析する。
なお、
右に掲載する資料は、
被告大学が、
学生諸君やご父母が納めた入学金、授業料から、
被告井形のために、
敗訴に見合う金額を、原告弁護士宛に振り込んだというFAXである。
3.大阪地裁の判決理由@:被告井形は推薦委員会に授業担当計画を提出すべき
2 原判決は,
@ 「誰を特任教員に任用するかということは,被告大学においていかなる研究を行い,
学生にいかなる教育を行っていくかということと密接に関わる事項であり,
学部長の一存で判断すべきものではなく,
学部全体あるいは被告大学全体で判断すべきものであることからすれば,
現行規定に授業担当計画について学部長と対象者との協議がまとまらなかった場合には
授業担当計画を提出しないこととする旨の規定がない以上,
学部長は,特任教員の任用申請手続を進めなければならず
(授業担当計画を推薦委員会に提出する。)
(下線部は本件において重要な箇所として代理人が記入。以下,同じ),
協議がまとまらなかったことは,その理由も含めて,手続の各段階における考慮要素と
すべきであると解するのが相当である。」
------------------------ 大阪地裁の判決 当該部分の理解 -----------------------------------
原判決(大阪地裁の判決のこと)が示すように、
被告井形学部長・理事は原告の授業担当計画を特任教員推薦委員会に提出する責務がある。
これは、特任教員任用規程(甲1)の「任用の手続き」で規定されている。
被告井形が、不適切な不法行為をしていることは
草薙副学長の発言(甲23)、山田学長補佐の発言(甲24)より自明である。
特任教員任用規程では
「学部長は教務委員長および対象者と協議の上、授業担当計画を推薦委員会に提出する」
とあり、
「学部長と対象者との協議」とは定めていない。
また、「学部長と対象者との協議がまとまらなかった・・・考慮要素とすべき」とされているが、
10月15日の被告井形による原告への説明(甲11は反訳書、甲10は音声データ)は
「協議」ではなく、
カリキュラム委員会が用意周到に捏造した虚偽にもとづく6つの理由をもとにした
一方的な「特任辞退要請」であり、
不法行為をしている様子は教授会の時系列の反訳書(甲27の5)より自明である。
また、経済学部森田教授の特任申請の却下に至るプロセスにみられるように、
経済学部学部長は不備があるとみなされる森田教授の「3ヵ年講義計画」を推薦委員会に提出、
数回の審議と実態調査を経て、
推薦委員会が経済学部に推薦しないという形で
特任教員任用規程にそって手続きを踏んでいる。(乙28の1から乙28の6の2まで)
4.大阪地裁の判決理由A:被告井形の書類の不備の判断は規程の理解の誤り
A 「被告井形の勧めを受けても,
特任教員への任用申請を取り下げない意向を明確に示して
いたものである。
そうすると,学部長であった被告井形としては,
対象者である原告との協議がまとまらなかったいたことを前提に,
学部長として原告の授業担当計画を特任教員推薦委員会に提出し,
手続を進めなければならなかったところ,
被告井形は,書類の不備があるとの判断をし,
その結果,原告の特任教員ヘの任用申請手続が進められなかったことになるが,
かかる被告井形の行為は,
現行規定下における特任教員の任用申請手続の理解を誤ったものというほかない。」
------------------------ 大阪地裁の判決 当該部分の理解 -----------------------------------
原判決(大阪地裁の判決のこと)では、
「被告井形の行為は,現行規定下における
特任教員の任用申請手続の理解を誤ったものというほかない」とされているが、
「理解を誤った」のレベルではなく、「特任教員として申請しないという作意」、
すなわち、カリキュラム委員会という組織をつかって
不法行為を企画・遂行している(甲27の1)。
また、「対象者である原告との協議がまとまらなかったことを前提に」とあるが、
これは特任教員任用規程(甲1)にそっていないことは前述したとおりである。
また、被告らはこの裁判で、
9月28日教授会で、特任教員任用手続きを説明したが、反対意見はなかったと主張するが、
この手続きは、規程にはない、規程の名の下で偽装した手続きであり、
原告は二宮正司特任教授に、同じ手続きをしたかと被告井形に確認し、
同じ手続きとの返答を得ている(甲27の5、3ページ)。
さらに問題視すべきは、
「反対意見はなかった」との主張は、不正行為の作意があったと、推認される。
5.大阪地裁の判決理由B:被告井形の過失は不法行為に当たる
B 「上記のとおり,被告井形が特任教員の任用申請手続の理解を誤り,
その結果,
原告が,特任教員の任用申請について,特任教員推薦委員会等の審理を受ける機会を
奪われることとなったことからすれば,
被告井形には,
原告の特任教員への任用申請手続の取扱いにおいて,過失があったといわざるを得ず,
被告井形の行為は不法行為に当たると認められる。」と認定した。
------------------------ 大阪地裁の判決 当該部分の理解 -----------------------------------
大阪地裁の判決、
「特任教員の任用申請手続の理解を誤り,その結果,原告が,特任教員の任用申請について,
特任教員推薦委員会等の審理を受ける機会を奪われることとなった」
これは、判断に必要な正確な情報の欠落によるミスジャッジである。
その理由は、特任教員任用規程(新規程)にもとで、
被告井形は副学部長兼カリキュラム委員長、被告池島はカリキュラム委員として
2010年10月22日教授会で二宮正司教授の特任人事をすすめている。
それにもかかわらず、
被告井形は、
裁判官の尋問「特任教員の任用の申請…井形さん自身がやられたことない」に対し、
「もちろんございません。
今回初めてでございますんで」と答えている(井形本人調書、27頁)。
同様に、
被告池島は
原告代理人の尋問「原告が特任教員の任用申請をする前の直近では,
二宮教授が特任教員に選任されてますね。 ・・・
二宮教授の担当科目あるいは担当予定科目,担当計画について検討されたんですね」
に対し、
「二宮先生のときには,私はカリキュラム委員会のメンバーじゃなかったと思います」
と答えている(池島本人調書、28頁)。
尋問での被告井形及び被告池島の虚偽の証言が裁判官の誤った判決を誘導しているのである。
6.大阪地裁の判決に対する、被告井形の言い分
3 しかし,
前記@の下線部の点は認めるとしても,
附帯控訴人井形がAの下線部の点は,
書類の不備があると判断をしつつ,事態を穏便に進めるため、
前例に依拠して特任教員採用希望者である附帯被控訴人に説得を試みたが
同人はこれに肯ぜず,
己むなく推薦委員会の委員長に相談しているので,
この時点で附帯控訴人井形は
学部長として推薦委員会に授業担当計画を提出したものと評価すべきであり,
原判決はこの点,
重大な事実誤認,法的評価を誤っているといわなければならない。
また仮に百歩譲って,授業担当計画が提出されていないとしても,
本件において附帯控訴人井形が同計画書の提出があったとしても
控訴人が推薦委員会で推薦される蓋然性が皆無に近かったことを考慮すれば
Bの審理を受ける機会を奪われることとなったとまでは言えず,
附帯控訴人らに過失を認めたのは重大な判断ミスである。
よって,附帯控訴の趣旨の通りの判決を求める次第である。
------------------- 被告井形の附帯控訴状 当該部分は、事実か、虚偽か -------------------
被告代理人は
「己むなく推薦委員会の委員長に相談しているので,
この時点で附帯控訴人井形は
学部長として推薦委員会に授業担当計画を提出したものと評価すべきであり,」
と弁護しているが、
第一義的に
特任教員任用規程の任用手続きを遵守すべきで、
徳永推薦委員長に相談したことをもって「事前協議」した、「提出した」ことにはならず、
推薦委員会全員との「協議」が、当該規程の前提のため、
被告代理人の主張は、論外となる。
それはさておき、
原告に特任教員申請の辞退を求めた10月15日の翌日、
被告井形が面会を求めた特任教員推薦委員会委員長の徳永学長は
事実の公正さを担保するために草薙副学長を同席させている。
このもとで、10月19日の草薙副学長の発言を聞く限り、
「授業担当計画を提出したものと評価すべきであり」には該当しないことが容易に理解される
(甲23、1〜5頁、及び、その音声データ)。
また、
「附帯控訴人井形が同計画書の提出があったとしても
控訴人が推薦委員会で推薦される蓋然性が皆無に近かったことを考慮すれば」
と一方的に決めつけているが、
その根拠を明示することなく、被告井形の弁護をすることは論理がとおらない。
また、
「推薦委員会で推薦される蓋然性が皆無に近かった」とする文言は
推薦委員会による実態調査により明確に否定されるということを原告は主張する。
その根拠は、
@原告の担当科目は不要、若しくは必要度が低い、それがカリキュラム委員会の総意とする主張は、
原告の担当科目は1997年のカリキュラム改革の戦略科目として設置された科目であることを
認知しているとは言い難いこと
A尋問での原告の担当科目についてのカリキュラム委員および被告らの説明力の低さ
B被告らによるパワハラ行為が表面化すること
7.「附帯控訴の理由」補充主張:「授業担当計画の作成権限は学部長」の是非
被告井形の附帯控訴理由書(補充)
附帯控訴人らは、附帯控訴状の「附帯控訴の理由」について
以下のとおり補充主張の弁論を準備する。
(記)
1 原判決は,「そうすると,学部長であった被告井形としては,
対象者である原告との協議がまとまらなかったことを前提に,
学部長として原告の授業担当計画を特任教員推薦委員会に提出し,
手続を進めなければならなかったところ、」と判示する(原判決32頁下から8行目〜11行目)。
2 しかし,
「授業担当計画」(甲1の第9条B項)の作成権限は学部長の附帯控訴人井形にあるが,
その権限の淵源は
翌年度の学部全体の授業計画を決定する教授会
(その負託を受けたカリキュラム検討委員会)にあるので,
学部長の決定は即ち教授会の決定でもある。
特任教員の任用について権限のある(甲1の第5条(1)号)教授会の決定でもある。
したがって,附帯控訴人井形が対象者(附帯被控訴人)と協議がまとまらなかった場合,
「授業担当計画」を作成できなかったというのは
教授会で同計画を作成できなかったということである。
原判決はこの点について充分なる検討を行っておらず
事実誤認を犯しあるいは法的解釈を誤っていると言わなければならない。
このように,
附帯控訴人井形はそもそもまとまらない甲7を提出する義務がないばかりか,
仮に同義務があるとしても
「提出があったと評価認定できる」ことは既に明らかにしているとおりである。
--------------- 被告井形の附帯控訴理由書(補充)当該部分は、事実か、虚偽か ---------------
2015年2月3日に送られてきたこの附帯控訴理由書(補充)は、
判決において、どのような意味をもたせようとしているのか、
不可解な、支離滅裂の論理である。
甲1の第9条B項は、法律に疎い原告でも、
「授業担当計画」の作成権限は学部長にあるとは明記されていない。
「学部長は教務委員長および対象者と協議の上、授業担当計画を推薦委員会に提出する」とあり、
(学部長は…に提出する)であって、(学部長は … を作成し、 … に提出する)とはなっていない。
繰り返すが、
授業担当計画に不備があるとして、
推薦委員会と経済学部教授会で繰り返し審議された森田教授のケースにおいて、
“修正した「今後3年間の授業計画」を次回教授会に出して頂くということで,”(乙28の4)
と経済学部教授会議事録にあるように、
授業担当計画を作成したのは、森田教授であって、経済学部長ではない。。
極めて恐ろしい、次の論理の展開、
“学部長の決定は即ち教授会の決定である。
井形学部長が対象者と協議がまとまらなかった場合,
「授業担当計画」を作成できなかったというのは
教授会で同計画を作成できなかったということである。”
これは、
合意形成の場である教授会の存在を否定している。
なお、経営学部教授会規程(大阪地裁、乙4)の(議決)第9条には、
「学部長の決定は即ち教授会の決定」とは規定されていない。
11月16日の教授会(甲14、その音声データは甲15)で
教授会メンバーが原告の特任申請を却下する理由を聞いても、
その説明を拒否する井形学部長の態度に、
原告の授業担当計画を教授会に作成させるという姿勢が汲み取れるだろうか、
否である。
なお、特任教員任用規程では、
原告の授業担当計画を、まず、推薦委員会で審議し、
推薦するに値すると審議されて後、教授会に推薦され、教授会で審議されるのであって、
被告らの説明する手順は
規程に準拠していない、違法な手順である。
「特任教員の任用について権限のある教授会の決定でもある」としているが、
教授会は候補者として決定するのみで、
決定できない場合は、森田教授のように、推薦委員会に戻される。
特任教員として、教授会が決定すれば、理事会にあげられ、
理事会が承認すれば、特任教員として採用され、
理事会が拒否すれば、推薦委員会に戻され、
推薦委員会が審議する、という規定になっている。
すなわち、推薦委員会が、特任任用の成否を最後までフォローするよう、規程されている。
「井形学部長はそもそもまとまらない授業担当計画を提出する義務がないばかりか,
仮に同義務があるとしても
「提出があったと評価認定できる」ことは既に明らかにしているとおりである。」
この被告の論理は、
原告には全く理解できない論理である。
1つ言えることは、
特任教員任用規程(新規程)をもう一度精読していただきたいということのみである。